大間まぐろとは
黒いダイヤと呼ばれるクロマグロ。「通称:本マグロ」。 津軽海峡で水揚げされるマグロは、天然の本マグロです。 特にここ大間町で水揚げされたマグロは最高級品で、「大間まぐろ」というブランドネームで、全国に知れ渡っています。2007年には、大間漁協によって出願された「大間まぐろ」が地域団体登録商標となり、出荷される30キロ以上のマグロの頬には、ブランドの目印となる「大間まぐろ」のシールが、誇らしげに貼られています。シールには通し番号が入っており、どの船がいつ、どんな漁法で獲ったマグロかを厳密に管理しています。
史上最高値は、一匹3億3360万円
大間で水揚げされるマグロは平均100キロ前後。普通は時速40キロ程度で泳ぎ、身の危険を感じたときや獲物を獲るときなどは最高時速120~130キロのスピードを出すといわれています。1994年には、440キロもの超大物が水揚げされ、大間崎にある「マグロ一本釣りモニュメント」のモデルになっています。 築地市場での高値の起点になったのは、2001年の事。初セリで1キロ10万円、一匹2020万円の値でセリ落とされたことをきっかけに高値が続き、2013年には一匹1億5540万円、2019年には3億3360万円の大間まぐろが誕生。まさに、黒いダイヤと呼ばれる所以です。
漁法は、一本釣りと延縄
日中は一本釣り漁、夜間は延縄漁が行われていますが、網で捕獲する漁法とは違い、マグロに傷が付かず、魚が弱ってしまう前に血抜き生〆作業を施すため、鮮度を保ってマグロを出荷することが可能となります。 近年では船の近くまで寄ってきたマグロに、電気ショッカーを使うことにより一時的に感電させ、失神させてから船に水揚ができるようになり、 一番暴れる船際で取り逃がすことは少なくなってきました。どちらの漁法も、一本一本のマグロの価値を最大限に高めて出荷する、資源保護につながる漁法となっています。
旬な時期と好条件な環境
大間崎の前沖5キロメートル付近という近海で獲れる大間まぐろ。マグロ漁は例年8月頃から釣れ始め、1月くらいまで。水温が低くなる秋から冬にかけてが、マグロ漁の旬と言われています。この時期に獲れるマグロは大型のものが多く、上質な脂がのっています。大間町が面する津軽海峡は、日本海と太平洋を結ぶ海峡。黒潮、対馬海流、千島海流の3つの海流が流れ込むため、たくさんのプランクトンが生息しています。この良質なプランクトンがいる漁場では、マグロの他にも、身の厚いイカやイワシが水揚げされています。
マグロのまち「大間」
本州最北端に位置する下北半島大間町。津軽海峡に面し、天気の良い日には函館山から恵山岬にかけての北海道の海岸を見渡すことができます。 突端の大間崎にある観光案内所「大間崎レストハウス」では、「本州最北端大間崎到着証明書」を発行し、大間を訪れた方に喜ばれています。 大間まぐろが獲れる漁師町として知られている大間ですが、かつて地元では、マグロは全く流通しませんでした。転機が訪れたのは2000年、大間のマグロ漁師の娘を主人公としたドラマ・NHKの連続テレビ小説「私の青空」が放送されたことがきっかけで、マグロの町・大間が全国のお茶の間にまで知れ渡るようになりました。それに呼応し、マグロで大間を元気にしようと立ち上がった有志によって、翌2001年からマグロ解体ショーを目玉にした集客の取組みがスタートし、町が一体となって地元・大間でマグロを味わってもらうための努力を積み重ねてきました。その努力が実を結び、今では「マグロを食べに行く町」となったのです。