日和山という名の小高い丘にひっそりと佇む海上安全地蔵尊。
23日は午後6時から前夜祭が、24日は午前10時から本祭が行われました。
大漁満足、海上安全、精進供養、そして海難事故にあわれた方の供養のために祈祷が行なわれました。
この祭りは、決して派手な行事ではありませんが、今年でもう168回目の歴史あるもので、町長をはじめ、海事に関わる方、漁師さんやその家族の方々が参拝されていました。
こちらが、海上安全地蔵尊。顔立ちのはっきりしない『八方にらみのお地蔵様』です。
地元の人からは「じんじょさま」と呼ばれています。
このお地蔵様は、今からおよそ300年の昔、大間沖で嵐に遭って沈没した船が積んでいたものでした。
伝記によると、風が静まってから大間の人たちが総がかりで船を引き上げに行ったとき、船員たちは既に亡くなっていましたが、大きな網に一体のお地蔵様がかかっており、お地蔵様を授かったと人々が喜び、お祝いを済ませてから、高台の赤灯が真っ直ぐ見える見晴らしのいい現在地に祀ったそうです。
祈祷の最中に、このようなものを和尚様がばらまかれます。
これは『散華』というもので、華(花)を散布することで仏を供養する仏事です。
元来、蓮などの生花が使われていたのですが、現在は蓮の形を模った色紙で代用することが多いそう。
この形は、花びらを表していたのですね。描かれた模様はとても色鮮やかです。
八方を海に囲まれた地形の大間町は、海上安全祈願が特に大切な祀り事とされていますので、来月7月20日海の日にも海の守護神ともいわれる天妃様(媽祖様)の祈願祭があります。
こちらは一般の方でも行列に加わることが出来る参加型の祈願祭ですよ。どうぞ天妃様行列にお越しください!